date:2005, 8/5
place:
中国、北京・済南の個展も成功のうちに終えることができました。
皆様から数々の励ましのご連絡、ありがとうございました。
心に触れて・・・
今回の中国での体験は、とても貴重なものでした。
多くの中国の文化人や要人の方々と研究会や討論会などで意見を交わすことができたのは非常に刺激的で価値ある体験となりましたが、私が最も感動したのは、一般の若者とのふれあいです。
1人は、 北京・故宮の太廟でのことです。
中国、焼き物の里『景徳鎮』から来た学生がいました。彼は、私の作品に興味を持ってくれ、是非直接会って話がしたいと思ったようで、なんと3日間も故宮に通いつづけてくれたのです。
そして通うこと3日目、遂に対面を果たすことができ、とても喜んでくれました。
いやあ、 通い続けてくれる、その熱意がとても嬉しかったです。
また別の1人は、済南の山東省博物館でのこと。
軍事学校に通う学生が来場し作品を見て感動してくれたらしく、個展の最終日だったこともあり、私に会う為に一日3回も会場を訪れてくれました。そして3回目に運良く対面を果たすことができました。
この学生は握手や記念撮影を求めてきました。熱く手を握り締め、何度も何度も数え切れないほど握手をしました。最後にカタログにサインをして渡したら、涙を流さんばかりの喜びようで、その純粋さに心を打たれましたね。
最後の1人は、やはり済南でのことですが、清華美術学院に通う北京在住の学生が太廟で行った展覧会を見れなかったということで、わざわざ山東省済南まで足を運んで見にきてくれたのです。飛行機でも1時間半かかる道のり。遠路はるばる尋ねてくれるその情熱に胸を打たれました。
中国から伝来した有名な言葉に『三顧の礼』という言葉がありますが、中国では若者たちがこの精神を持ち続け、私に対して礼を尽くして情熱を示してくました。彼らは、日本人が忘れかけてしまっている大切なもの・・・心・・・を思い起こさせてくれました。
中国陶芸品に触れて・・・
折角中国に行ったわけですから、陶磁器本場のものを見ないでは帰れません!
北京では、古美術コレクターの方から漢朝時代の作品を見せてもらいました。約1800年前のものです。時代を超えて国を超えて対面した器は、どことなく自分の作品に似ているように感じました。
自然との一体化、自然の体現化を感じました。
また済南では、山東省博物館の珍蔵品で約6000年前の陶器に触れさせてもらいました。
この時代にすでに轆轤を使用して器を作っていたのです。技術的水準の高さに驚きました。
お茶碗ほどの大きさのものでしたが、持ってみて、”非常に軽く、薄い”と感じました。
この時代から、薄く丈夫な器を作る技術が発達していたということでしょうね。
日本、海外問わず、個展を開くにあたりいろんな場所を訪れると、行く先々でありがたいと感じるのは人との触れ合いです。 それは私の心を暖めてくれ、豊かにしてくれます。
中国でも琴線に触れる体験を多くさせていただき、皆さんにお礼を言いたいと思っています。謝謝!
今後、ご縁があれば、また中国に行きたいと思っています!
中国での私は産声を上げたばかりなのです!