date:2005,11/17~21
place:京都 花八代

『花八代』での“食と器のコラボレーション”
2006.1.12

食と器のコラボレーション。この企画、なんと今から遡ること18年前に生まれた構想です。その時、私は奈良で個展を開いていました。現在の花八代のご主人の米田さんが来場され、私の作品を見て「いつか自分の作った料理をこの器で出してみたい・・・」と思っていただいたことに始まります。
18年間ずっと育ててきた企画が今回やっと実現したわけです。

焼き物とはそもそも料理を盛る器として発達してきました。現在でも美味しいものをいい器で食べるとさらに美味しく感じます。器と料理が色合いも質感もマッチして盛られると、目で味わうとでも言ったらいいでしょうか?非常に美しいものです。お互いに切っても切り離せない関係なのです。
この企画用に特別に作った器に盛られた米田さんの料理を見ていると、涎が・・・いやいや失礼。ほんとに食欲が倍増する心地でした。

紅葉が美しいこの季節。店の窓から外を見ると、目下には高瀬川がゆったりと流れています。こういう場所にいると、「ああ、日本人でよかったなあ」とつくづく思います。
落ち着いた和室で畳の暖かさを感じながら、はんなりと美しい舞妓さんと共に味わう料理。和の真髄を味わうことができました。日本の伝統文化発祥の京都で、私もたおやかな心地になって帰ってきました。

また機会があれば、是非是非このような企画を行いたいと思います。米田さん、ありがとうございました。

道川省三