土
均一さではなく個性を見て土を選びます。鉱物の記憶は、焼き上がった表面にも残ります。
土はすでに生きています。作家の仕事は、その行き先に耳を澄ますことから始まります。

私は自分を、これらのかたちの作り手だと考えたことはありません。手に届いた時、土はすでに生きています。私はただ、その行き先に耳を澄ませます。
轆轤で回転する力を与え、その力に逆らいながらねじることで、器は土にも私にも予想できなかったかたちへたどり着きます。
これが私のいう「結自然」です。自然を芸術へ、そして芸術を自然へ返していくことです。

土の記憶を、
光がひらく。
灰、ひび、折り重なる縁には、つくられた時間が残っています。光は表面を飾るのではなく、土がくぐり抜けたものを浮かび上がらせます。
1953年、北海道虻田郡洞爺湖町生まれ。1975年に青山学院大学を卒業。瀬戸を経て静岡県笹間町で制作を続け、陶による造形を国内外で発表しています。
均一さではなく個性を見て土を選びます。鉱物の記憶は、焼き上がった表面にも残ります。
轆轤が遠心力を生みます。対称性を整えるのではなく、その動きに逆らってかたちを押し進めます。
縁が折れ、量塊が分かれます。一つひとつの手の動きが、地層に残る圧力の記録のように刻まれます。
笹間の穴窯には七日七夜、松が焚べられます。灰、炎、窯の空気が最後の肌を描きます。

静岡県笹間町
日本